Birthday Eve
最近頭が痛くて何日間か寝込んでいて、ふと「ああ、もう一年ぐらい経つんだな」と思った。去年頭が痛くなって学校を休みがちになってそれからいろんなことがあった一年。
もうすぐ誕生日が来る。実はあんまり来てほしくないし永遠にこのままでいたい。もう14歳になっちゃうな。私の好きな小説の主人公は永遠に13歳なのに。
前までは感傷的な青春をそのまま感情の色にしたみたいな言葉と、その言葉を紡ぐ人の何とも言えない青春の色がきれいでそんな人たちががとても好きだったし、自分でもそんな言葉を紡ぎたかった。だけど最近はそんな言葉よりも青春の中でもがいているような、本人もそれが心地よくていつまでも抜け出さないでいるようなその”人”自体が綺麗だなあと思う。
こんな自分の変化に怖くなったしできれば前のままでいたかった。
これも自分が成長してるのかな、って思ったりした。
だけどどこかで13歳は皆そう思う時期だから、って言葉を聞いて「なんだ、私は普通だったんだ」って思った。世界はおもったよりも大人で私は思ったより13歳だった。悲しいのかほっとしたのかよくわからないピンクと灰色が混ざった感情みたいだった。
14歳になったらどうなるんだろう。いきなり一歳ランクアップとかしちゃうのかな。
もっと大人に近づくのかな。だんだんそんなに若いのにねって言われなくなるのかな。もう小さい頃みたいにただ楽しそうだからって理由で何かをしなくなるのかな。
もう子供の心でいたらダメなのかな。
私がなりたくないと願ったような大人に近づくのかな。
昨日、留学から一時帰国で帰ってきて久しぶりに母のおにぎりを食べた。昨日は眠くて何も考えていなかったけど、おいしかったな。
この1年で沢山のことがあった。
人生が大きく変わった。
なんだかよくわからないけど私にとって13歳はとくべつな歳だった。
ああ、もうすぐあと1時間になっちゃう
13歳になって私の世界に鮮やかな色より暗い色が増えた。
たぶん、私が世界の矛盾に絶望したから。
そして何にもなれない自分にひどく悲しくなったから。私は特別になりたかったんだ。だけどそう思うのは特別なひとなんかじゃなく“特別に憧れた普通の人”なんだって今は知ってる。
もうすぐ14歳になる。
ばいばい、13歳のわたし。
永遠に13歳のままでいたいなんてちっぽけな私の願いは時計の針が12を指した瞬間砂のように崩れ落ちることを私は知ってる。
知ってることが多くなることも怖いなあ
私の特別な誕生日が誰かの普通の日常でありますように